握手

「嫌われてもよい」という気持ち

心の健康を考えるときに必要になってくるのが「嫌われてもよい」と思える気持ちです。
案外ストレスを過剰に与えている原因になっているのは、自分の中で「みんなから好かれたい」「誰からも嫌われたくない」というような気持ちであったりするからです。
企業内での仕事においても家庭や近所づきあいにおいても、できるだけ周囲とのコミュニケーションを円滑にしようとするときには人当たり良く印象を悪くしないように接することを無意識にやってしまいがちです。
確かに誰かから嫌われるというのは気持ち的によいものではありませんし、敵を作ってもあまりよいことはありません。
ですがあまりにも嫌われるという結果だけを意識してしまうと、それがむしろ自分にとってよくない人間関係を生み出す原因になったりします。

時には自分の都合を優先

「嫌われたくない」と思ってはいけないということは、「嫌われてもよい行動をとってもよい」ということではありません。
例えば、上司や同僚などから仕事を急に頼まれたしまったとき、本当は断りたいと思っていてもついつい笑顔で引き受けてしまったりするようなことはないでしょうか。
その依頼が本当に急ぎで困っているような場合ならいたしかたないこともありますが、中には自分の仕事を押し付けるつもりで言ってくることもあります。
そうした時に一度受けてしまうと、それ以降の同じような依頼に対して強く断ることができにくくなってしまうので、次第に依頼される回数や分量が増えていってしまい、それが大きなストレスとしてのしかかってくることになります。

仕事の依頼だけではありません。
友人同士の付き合いや誘いを、気乗りしなくてもつい言うなりになってしまうようなことはないでしょうか。
さじ加減の難しいところですが、受ける誘いを全て受けるようなことを繰り返していると、お金や時間を自分のために使えなくなっていってしまうようになります。
他人とのコミュニケーションをとるとき、自分の都合を優先させることも時には大切なことです。

「嫌われたくない」という気持ちが強くなりすぎると、自分の行動や気持ちを他人の価値観に委ねることにもなってしまいます。
するといつのまにか自分で考えたり自分の希望を口にすることができなくなって、気持ちも萎縮していってしまいます。
大切なのは他人全てに嫌われないようにすることではなく、自分のペースを守りつつ周囲を尊重した付き合いをしてくようにすることです。
忘れないようにしましょう。