バーンアウトとは

数年前に「燃え尽き症候群(バーンアウト症候群)」という言葉が爆発的に流行しました。
これは、急激に悪化をするようになった職場環境などにおいて、一時的に打ち込みをしすぎてしまったために、そのあとまるで空気の抜けた風船のように気力や体力を失ってしまったという人のことをさしています。
言葉の出始めの頃には世間的な認知度が低く、まるで冗談のように扱われてきた側面もありますが、本来的な意味でみるとこの「燃え尽き症候群(バーンアウト)」は大変重大な精神面での疾患です。
バーンアウトを発症してしまうと、自分の意思や自然治癒などでは簡単に治らないことがほとんどです。
大切な人生の一時期をそのように失ってしまわないために、できれば早目にセルフケアを心がけるようにしてください。

バーンアウトの対策

バーンアウトを防ぐためには、自分自身のケア(セルフケア)とともに周囲の理解や援助が大切になります。
特に真面目で几帳面な性格の人ほど、何か重要な責任を伴う仕事などを任されると、休息を忘れて全力で打ち込んでしまいがちです。
その仕事が継続をしているうちはよいのですが、一段落ついたり、何らかの状況の変化によって担当を外されたりして解放をされてしまうと、それまで自分を縛っていた強い鎖が突然消えてしまうため、どこにどう心をおいてよいかがわからなくなってしまうのです。

もし本人が気づきにくいほど燃え尽きを初めているようなら、周囲が先に援助の手を差し伸べるようにしてください。
明らかに本人のキャパシティを超える仕事をしていたり、脅迫観念すら覚えるようなギリギリの状態にいるようなら、早目にそこから抜け出すための手段を講じるか、もしくは本人に変わって誰かがその仕事を終わらせてしまうといったことをする必要があります。
中には、他人の手を借りることで自分の評価が下がることを恐れたり、弱みを見せることに極度の抵抗感を持つ人もいるでしょうが、それでも強引に本人を過酷な環境から引き剥がすようにすることが大切です。

セルフケアでもっとも有効なのが「休息をとる」ということです。
忙しすぎる状況のときには、えてして非常に視野が狭くなってしまっているものです。
休日返上で深夜まで働くというサイクルを一度止め、数日全く仕事とは関係のない場所に行くというだけで、だいぶ心理面での燃え尽き度が下がります。
大切な人材や家族のためにも、あまりにも頑張りすぎる本人を気遣いケアを手伝ってあげるようにしてください。