精神面のバランスを崩しやすい時期

体に出てくる病気の症状が季節や時期を選ばないように、精神(メンタル)面での病状もまた一年を通してすべての時期に発症する可能性があります。
ですが、統計データなどをよく調べてみると一年中すべての時期に平均して病状が報告されているわけではなく、時期によってかなり増減があるようです。
季節の変わり目などに風邪を引きやすくなるように、精神面のバランスもある特定の時期には特に崩しやすくなってしまうのです。
どんな時期やきっかけが起こった時に特に注意をするべきかを事前にきちんと把握しておくことで、あらかじめ適切な予防策を講じることができるかもしれません。

まず、最もメンタルヘルスに注意を払ってもらいたいのは春先の時期です。
春は新しい環境が始まる季節ですが、その環境の変化が心や体に重大なストレスを与えてしまうこともよくあります。
新しい職場への就職・移動・転勤をしたり、引越しをしたりして4月から新生活をスタートさせることになる人も多いでしょう。自分ではなんともないと思っていても、緊張をしているために気がつきにくくなっているだけで、実は心の奥では深刻な病状が進んでしまっている場合があります。

5月病という言葉がありますが、これは何も連休によって気持ちがたるんでしまって起こる病気ではありません。4月からのストレスが、少し時間が経ったことによる慣れと、久しぶりに連休で自分と向き合う時間をとれるようになったことで、堰を切ったように体中に溢れだしてきてしまうことが原因となっていることがよくあります。
過度のストレスを受けると、自律神経のバランスが乱れ、呼吸や体温、血流に異常が起きたり、胃腸の働きが弱くなってしまったりします。
またストレスは免疫力を大きく低下させてしまう原因でもあるので、突然重い病気にかかって治療に時間がかかってしまったりということにもなりかねません。

春先のメンタルヘルスケア

春先のメンタルヘルスケアで大切なのは、できるだけ自分や身近な人の体調の変化に注意をし、なんとなくいつもと違うことに気がついたら早目に医師の診断を受けるようにするということです。
心と体は全く別のものではなく、お互いに密接に健康状態に関連性をもっています。
心の状態を外側から把握をするのは難しいことですが、体の状態の乱れから心のバランスをある程度測ることは可能です。
食事や睡眠、体力などの様子が急におかしくなってしまったなら赤信号です。
春先の体調不調は気のせいと放置をせず、早目に休養をとり、医師の診断を受けましょう。

参考:ストレスケア・コム ストレス度診断 チェックテスト