ストレスがもたらす影響

ストレスを受けると、自分では気づかないうちに体や行動に変化が出始めるものです。
ただし注意が必要なのは、例え同じ環境にいる人たちであっても、そこで受けるストレスの度合いには個人差があり、一方ではたいしたことがないと笑っていられる人がいても、他方では呼吸も困難になるほどの苦しみを感じる人もいるという場合があるということです。
セルフケアの基本は自分で自分を管理することですが、場合によっては職場の上司や同居をする家族など、身近に接する人が本人に代わって体調や行動の変化を察知してあげるようにすることも大事です。

身体面の変化

ストレスの感じ方は人それぞれであっても、本人にとって許容量を超える過剰なストレスを受けたときの反応はわりと似通ったものになります。
例えば、過度なストレスを受けた時の身体面での変化には、急性なものとして「動悸」「発汗」「顔面紅潮」「胃痛」「下痢」「筋肉の硬直化」などが、慢性なものとして「疲労感」「倦怠感」「不眠」「循環器系不調」「消化器系不調」などが起こります。
急性のものは比較的外部からも見えやすく、その時に指摘をしてあげられれば本人もすぐに気がつくことができます。
問題は慢性的に症状が表れた場合で、不眠や内臓の不調が長く続くと、場合によっては入院などが必要となる重大な病気のもととなることもあるので、十分に注意が必要です。

精神面の変化

また、ストレスによってそれまではなかったような行動が引き起こされてしまうこともあります。
こちらも身体面の変化同様、急性症状と慢性症状とがあります。
急性のものとしては「回避行動」「逃避行動」「エラー」「事故」「口論(イライラ)」があり、慢性のものとしては「遅刻」「無断欠勤」「作業効率の著しい低下」「過度の飲酒や喫煙」「やけ食い」などが表れるようになります。
これらは場合によっては「怠け者になった」「いい加減な性格に変わってしまった」と単純に性格の変化などで片付けられてしまうこともあります。
ですが、裏側にはストレスなどによる重大な疾患の前触れが隠れていることもあるので、十分に様子の変化を観察することが大切になります。

しっかりとした対処を

過度なストレス状態に気づくことができたなら、対応する方法を見つけることもできます。
まずは本人に休養を促し、ゆっくりと冷静に自分を振り返ることができる環境をつくってあげるようにしてください。
場合によってはソーシャルサポートをしてもらえる、公的機関や専門家に相談をしてみるのもよいでしょう。