タバコを吸う人に多い病気

突然ですが、あなたはタバコを吸う方でしょうか?
タバコが体に悪いことは既に皆さんがご存知のことだと思いますが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)もタバコが原因になる場合が多い病気です。
しかも、自分がタバコを吸って病気になってしまうだけでなく、受動的曝露によって他人までもが患う可能性があると言われています。

ですから、いつも喫煙者のそばにいるような方も注意が必要になる病気です。
このような理由もあって、COPDは「タバコ病」とも呼ばれています。
また、タバコの他に大気汚染などによってもCOPDが引き起こされることがあります。

COPDは、あまり聞き慣れない病気かもしれませんが、これは「慢性気管支炎」と「肺気腫」の二つを合わせたものです。
一人でこの両方の病を患う方が多かったこともあり、このような名前で呼ばれ、現在は世界的にCOPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)という名称で統一されています。

肺胞が破壊されたり気道炎症になり、咳嗽や喀痰も認められるようになります。
この病気は、進行性のものです。
最初は運動した時などにだけ症状が見られるのですが、放置しているとしだいにちょっとの運動でも息苦しさを感じるようになってきます。
特に、息を吐くことに困難を伴うようになるのです。
更に進行すると、食事さえも辛く感じるようになってきます。
また、肺炎や気管支炎を起こすことが多くなり、COPDが重症になると、呼吸不全や高炭酸ガス血症になることもあります。

治療方法について

COPD(慢性閉塞性肺疾患)を患った場合、薬物によって治療することになります。
貼付型気管支拡張薬や長時間作用型気管支拡張吸入薬、吸入ステロイド薬、喀痰調整薬、短時間作用型気管支吸入薬、テオフィリン製剤などです。

また、リハビリテーションを行うこともあります。
呼吸のトレーニングや四肢筋ケア、呼吸筋のリラクゼーションのほか、筋力、持久力を鍛えるトレーニングなどを行います。
また、栄養指導や精神的なサポートを行ったり、薬剤指導や感染管理なども行います。
COPDを患っている方は、がん検診をきちんと受けることはもちろん、インフルエンザの予防接種と肺炎球菌ワクチンを受けることをお勧めします。

日本における患者数

現在日本では、およそ530万人の患者がいるとされています。
死亡原因の9位になっていることからも、この病の恐ろしさがお分かり頂けるのではないでしょうか?
40歳以上の人口の8.6パーセントの方がCOPDです。

喫煙者のおよそ2割の方がこの病を患っています。
ですから、タバコをまずは止めましょう。
COPDは苦しい病。
早めに予防を始めることが大事です。