寺

自分を見つめなおす

仕事や家庭で悩みが重なってくると、自分が今やっていることが本当に正しいのだろうかという疑問が浮かんできます。
気持が落ち込んできたときには「もしかして今の悪い状況を引き寄せているのは全部自分のせいなんじゃ?」というように自分を追い詰めるような考えにもなっていきます。

人の気持は一度悪い方向に転がり始めてしまうとどんどん先に進んでいってしまうという特徴があるものなので、
そうしたときに落ち込むのはある意味では仕方がないことでもあります。
ですが、視点を反対に移せばそのように深く自分を見つめなおす時期にこそ、本当に自分の中にあった気持に気がつくことができるものです。
落ち込んだときには何を頼ったり信じたりすればよいかということもわからなくなってしまいますが、
そんなときは日本古来から伝わる「禅」の教えを参考にすることがおすすめです。

「禅」のすすめ

「禅」とは仏教における修行の一つでお釈迦様も行ったとされる坐禅という方法のことをいいます。
坐禅は特に何かを教えてもらったり、運動をしたりするということではなく、静かなところに自分の身を起き、
そこで足を組む特別の姿勢をとったところで気持ちを落ち着けて心の中を平穏にしていきます。
このときには「調身・調息・調心」の3つに気をつけることとなっており、姿勢、呼吸、心という3つを同時に整えていくようにします。

実は社会人向けにこの禅を体験するスクールも静かにブームになっており、
普段の会社での生活の中ではついつい見失ってしまいがちなことを坐禅によって冷静に振り返るために利用するということも増えています。

座栓の教えには「帰家穏坐(きかおんざ)」というものがあり、これは穏やかに座ることにより家に帰ったような安心感を得ることができるということをさしています。
つまり忙しい毎日を送っているときには、ついつい気持はあるべきところではなく、遠くで居場所を見失ってしまっていることも多いということです。
しかしそうした自分の居場所は忙しく走り回っているときには冷静に判断をすることはできません。

もし気持が落ち着かなかったり、今の生活に何か疑問や不安を感じているなら、一度本格的な寺院を訪れてみて、そこで禅を組んでみることをおすすめします。
心の不調は体の不調と違って、気持を平穏に戻すことが定期的にできるようになることによって改善をさせることができるものです。
日本古来から人の心を教えてきた禅の力を是非感じてみてください。