長生きする人の特徴

長く健康的に生きることができる人というのは、基本的にあまりくよくよと物事を思い悩まない性格をしているといいます。
おもしろいのがアメリカカリフォルニア大学のハワード・S・フリードマンの研究で、長生きをしている人の中にはいわゆる「健康オタク」と呼ばれるような人はおらず、「conscientious」な性格をしていることが共通的な特徴になっているということです。
conscientiousとは、日本語に直訳すると「良心的」「丁寧」「念入り」「忌憚ない」といった意味となり、いい意味で真面目な人というふうに言い換えることができます。
真面目といっても生真面目で小さなことが許せないという意味の真面目ではなく、やるべきことをきちんと守り、毎日の生活を規則正しく行うことができるという意味です。

また、それまでは「明るく元気な性格の人は長生き」という概念がありましたが、実際に長生きをしている人を詳しくみてみると、意外にそうした性格の人は長生きをしているわけではないことも同大教授の研究によって明らかになっています。
例えば社交的で常に人の中心にいるような人などは、はためにきっと長生きをするだろうと思われがちですが、意外にそういう人は早めに亡くなる傾向があるといいます。
人を笑わせるのが好きなコメディアンの中に長生きをしている人も少ないようで、明るく振る舞うことそのものが長寿に影響をすることはあまりないようです。
この研究結果にはさまざまな読み方がありますが、そうした明るい人というのはある意味自分の内面にある悲しさや寂しさを隠すために自分で性格を作り出していることが多いことも関係しているのではないかといわれます。
幼少期に厳しい経験をした人の中には、その反動で他人に対して明るく元気なキャラクターを見せることがあります。
しかしそうした自分自身への偽りは長期的には自分の心の中にストレスを積もらせていってしまうようです。

楽観的になりすぎない事

難しいのは、長生きのためには細かいことをくよくよと考えるのではなく、それでいて楽観的になりすぎないことが大切であるということです。
その結果として心の声に正直に生きる「conscientious」という概念が生じることになるというわけでしょう。
長生きをすることが幸せであるとは必ずしも言えないかもしれませんが、心の平穏を保ち長く健康を維持するためには、自分の良心に従ったまっすぐな生き方をすることが一番の薬ということかもしれません。