悪しき風潮

昔から日本においては「我慢すること」が美徳のように思われてきた節があります。
今でも中年期などの男性によく見られることですが、「○日寝ないで仕事をしている」「先月の仕事時間は○時間を超えていた」「○○と○○という病気を抱えている」といったような、体を壊したりその可能性が高いことをしているのに、それをさも立派なことをしているかのように言うことがあります。
最近の若者はそうした「体壊し自慢」というようなものを冷ややかな目で見ていることが多く、自分もそうならなければならないというふうに思うことは少ないようです。
ただ問題は、そうした先輩たちの体壊し自慢が横行することにより、いやいやながらそうした不健康な就業環境に引きずり込まれてしまうケースが多いということです。
まずそのような体を壊してまで行なっている仕事の異常性についてしっかりと意識し、体が資本であるという原則に立ち返るようにしてみてください。

早めに医師の診断を

毎年企業内では健康診断が行われますが、そのとき40代以降の中堅社員の中に高血圧や高血糖といったかなり厳しい健康状態として診断される人が散見されます。
高コレステルール値や肥満体型を併せ持っている場合もかなり多く、すぐにでも治療が必要ということで「D」判定を総合的につけている人もいます。
ところがそうしたD判定者の人のうちかなりの割合が、実際に病院に行くなど本格的に治療を受けていないようです。
高血圧や高血糖の場合、体の内部で起こっている悪影響について自覚症状があることはほとんどないので、気づかないまま1年が経過し、また同じD判定を受けるということを数年繰り返しているパターンも見受けられます。
本人にしてみれば「D判定なんていって脅しておいて、1年何事もなかったじゃないか。行く必要なんてない」と思うのかもしれませんが、それは見えない危険をあえて直視していないだけです。
おそらくそうした人の多くが内臓を侵食されてきているため、ちょっとしたきっかけで突然倒れたりすることもあるのではないかと思います。

高血糖や高血圧と診断された人は、できるだけ早くに病院にかかり専門的な医師の診断を受けるようにしてください。
初期症状の場合、薬を処方されるのではなく、生活習慣の改善を促すことになるでしょう。
生活習慣の改善を促されるということは、まだ症状が初期のうちで十分に改善の余力があるということでもあります。
進行するとインシュリン注射など、かなり日常的な生活に負担を与える結果になりかねません。