脂質異常症の症状

脂質異常症(高脂血症)とは、血液の中に過度に脂質が増えた状態のことを言います。
私たちの血液中には、「中性脂肪」や「コレステロール」、「リン脂質」、「遊離脂肪酸」があります。
その中で多くを占めているのが、中性脂肪とコレステロールの2つです。

中性脂肪は、1dl中40から150ミリグラムあるのが正常値とされています。
またコレステロールですが、こちらは1dl中180から200ミリグラムあるのが正常範囲です。

中性脂肪かコレステロールのどちらかの数値が高い場合、またはその両方の数値が高い場合を脂質異常症と呼んでいます。
脂質異常症が怖いのは、自覚症状がないところです。
その間も、どんどん血管が危険な状態になって行きます。

そのまま放置していると、そのうち関節部分にコレステロールが溜まりコブができます。
これは黄色腫と言うもので、まぶたの内側にできることもあります。
更に恐ろしいのは、危険な合併症を引き起こしてしまうことがあるところです。

血管にコレステロールが付着すれば、血管が細くなってしまいます。
これが動脈硬化です。
動脈硬化になると、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を発症する危険が出てきます。

血栓ができて、血液が上手く流れにくくなってしまうからです。
他にも、すい炎を起こしたり脂肪肝になってしまう場合もあります。

脂質異常症の原因について

脂質異常症は、遺伝性のものもあるものの、その多くは生活習慣に原因があることがほとんどです。
たとえば、日頃からあまり体を動かす習慣がなく、慢性的な運動不足になっている方や、カロリーの高い物ばかり好んで食べたり、栄養バランスが偏っているような方は要注意です。

また、たばこを吸う習慣がある方や、肉類を多く食べている方もリスクは高くなります。
脂質異常症を予防する為には、適度な運動を行うことと、脂っこい食事を改善することも必要ですし、タバコを止めることも必要です。

また、腎臓や肝臓の病気や糖尿病も、脂質異常症に繋がる可能性があります。
ですから、こちらの治療もきちんと行うことが大切です。

どのような治療を行うのか

どうして脂質異常症が危険なのかというと、それは動脈硬化のリスクが高まるからです。
脂質異常症を治療する場合は、食事療法と運動療法を行います。
必要であれば、栄養士や医師に相談します。

また薬を用いることもあります。
中性脂肪が高い方は、ベザフィブラートや、フェノフィブラートなどを使います。
高コレステロール血症の方には、HMG‐CoA還元酵素阻害薬などを用います。

肥満は、脂質異常症だけでなく、様々な病気を起こす原因になります。
ですから、是非健康的な体重管理を行って、元気に安心できる生活を送りましょう。