抑うつ症状とは

抑うつ症状はこれまでは企業内で働く中年期以降の人によくある症状でしたが、今ではむしろ若者世代の方に深刻な状態として発症するようになっています。
新入社員として入社をしたものの、5月になるかならないかのうちに会社休みがちになり、そのまま半年~1年もたずに退社となってしまうようなケースも多いと企業の人事担当者からきかれています。
このような若手の行動を「考えが甘い」「怠け者だ」とはねつける人もいるようですが、人事担当者としての視点で言うなら、そのようになる前に本人が発していた心のサインに気づくことができなかった上司の方にこそ大きな問題があったということができます。
ともかくそのような抑うつ症状による退社は本人のみならず会社側にとっても決してプラスとなることではないので、できるだけ組織全体でケアを行なっていけるような体制づくりが求められます。

発症の原因と対策

若者によくある抑うつ症状のはじまりは、社会に対する期待と自分の中の認識のズレが大きく関係しています。
企業側にも問題があると思えるのが、就職活動中にはさもこの企業に入ったら思い通りの仕事をすることができるかのように説明をしたり、場合によっては内定辞退者を出さないために入社式前に御祝いパーティーを開いたりするうようなことがあるためです。
就職状況が厳しく少しでもよい人材を得たいという企業の思惑もわからないではないのですが、かといって若手の社員を必要以上に持ち上げ、そして実際の仕事で大きく落とすようなことは、むしろ本人に思いプレッシャーを与えることにもなります。
あくまでも仕事は仕事であることを、就職活動の段階からきちんと示すことが企業側にとっても大切な方法となります。

次に若者側ですが、心理的なプレッシャーが強くなるとまず最初に出社の時間が遅くなってきたり、遅刻や欠勤が増えてくるようになります。
本人のだらしなさに起因することとして思い込まれがちですが、最初は真面目に勤務をしていた人が急に時間や備品の管理にルーズになるということは、精神的な問題が起き始めているサインです。
うつ症状が発症すると、やる気がなくなり集中力が失われてくるので、話をしていてもどこか上の空になったり、伝えたはずのことを覚えていなかったりということがよく起こってきます。
判断は難しいことではありますが、周囲も自分自身も、どうも最近おかしいと感じるようになったら早めにセルフケアを心がけるようにした方がよいでしょう。