悪化する就業環境

日本経済がデフレに陥り、不景気の状態が続いて既に20年ほどが経過しています。
その間坂から転げ落ちるように私達をとりまく就業環境は悪化の一途をたどってきています。
長時間労働をしているにもかかわらず、生活もままならないほどの手取り額しか受け取ることのできないワーキングプアと呼ばれる人たちをはじめとし、今や残業時間は週に60時間を超えているという人も決して珍しくありません。
このような職場環境においては人間関係もギスギスしたものになりがちになっており、自覚の無いままに心に重い病を抱えてしまっている人も多くいます。

大手企業の中にはそのような精神的なバランスを崩してしまう人材に対処するため、社内に専属の医師や看護師をおくなど積極的に対策を打ち出しているところもありますが、まだまだ全体から見れば非常に数は少なく十分に対応ができているとは言いがたい状態です。
経営が苦しい中小企業などでは、気持ちとしてはそのような精神面でのケアができるようにしたいと思うものの、そこまで資金も手もまわらないという苦しさを抱えているケースもあります。
そこでまず一時的な防衛策として、社内教育や自主的な活動などで、自分でできるメンタルヘルスケアの方法を身につけておくようにすることがおすすめになります。

職場でのメンタルヘルスケア推進

あるアンケートの結果を見ると、職場において強い不安やストレスを感じていると回答をした人の割合は全体の約6割以上にものぼるとされています。
また、実際にストレスなどをこじらせてしまった結果、離職とせざるをえなくなってしまい1ヶ月以上も休業をしてしまうようになってしまった人も、把握しているだけで7~8%程度もいると言われます。
近年ではようやく精神的な疾患についても労災認定がされるようになってきていますが、その申請件数も軒並み上昇を続けているようです。

職場でのメンタルヘルスケアを推進するためには、全国の労災防止組合団体が主催するセミナーなどに参加をすると、かなり役だつ知識を得ることができます。
メンタルヘルスというと、単純に「食事内容の改善」「運動」といった普通の方法だけが思い浮かびますが、専門家の講演などを聞いてみると、意外とそれまで思い込みをしていたことと正反対のことが精神面のケアに役だつことがわかるようなこともよくあります。
経営者の方や、人事・労務関連の担当者さんはぜひ早目にそれらメンタルヘルスケアのためのセミナー受講などをするようにしてみてください。

参考サイト:健康づくり・メンタルヘルスケア・快適職場づくり(中央労働災害防止協会)